社団法人 日本オペレーションズ・リサーチ学会
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JORSJ 53-1, JORSJ 53-2, JORSJ 53-3, JORSJ 53-4

JORSJ 53-1

1.
無限サーバシステムのサービス時間分布の依存性について
町原文明(東京電機大学)
 
再生到着のある無限サーバシステムの定常状態確率分布は、サービス時間の高次モーメントに依存する。その依存の様相は、到着過程の変動がポアソン過程の変動に比べて大きいか小さいかで大きく異なる。本文では特に、変動が大きい場合の到着間隔分布を超指数型、小さい場合の到着間隔分布をアーラン型に絞る。前者の場合、定常状態確率分布の分散は、サービス時間の分散が大きくなるにつれて小さくなる。つまり、サービス時間が一定の場合、システム状態の分散が最も大きくなり性能上最も悪い。一方、後者の場合は逆に、サービス時間の分散が大きくなるにつれて定常状態確率分布の分散が大きくなる。サービス時間が一定の場合、システム性能が最も良い。
2.
設計-入札-施工方式(Design-Bid-Build)および設計施工一貫方式(Design-Build)による建設のリスクアセスメント
Risk Assessment of Design-Bid-Build and Design-Build Building Projects
Tsung-Chieh Tsai, Min-Lan Yang (National Yunlin Univ. of Science & Technology, Taiwan)
 
Projects managers normally seek to lower the extent of risk by signing contracts, such as Design-Bid-Build (DBB) or Design-Build (DB) project delivery systems to transfer or share risk over to other project entities. The main purpose of this study is doing risk assessment from the perspective of clients, comparing project delivery systems mentioned above to see, firstly, what risk factors are, and, secondly, to analyze the ranking of risk factors and amount of risk with temporal sequencing change over different project stages (e.g. proposal surveying, scheme designing, procurement contracting, and construction receiving). Thus, identify risk factors using literature reviews and conduct survey with clients; utilize the fuzzy numbers with integral value to simulate the changes of ranking of risk factors and the amount of risk with temporal sequencing, given different the attitude of decision makers in risk management (pessimistic, neutral, or optimistic) of the decision-makers towards risk, meanwhile, consider information accuracy in decision-making environment. The result shows that Design-Bid-Build mainly concern about quotation, cost, drawing specification, etc. Furthermore, many risks arise in earlier stage, such as proposal surveying stage and scheme designing stage, that the practice of Design-Build should exert precaution to prevent likelihood of contractors using inferior materials to cheat profit out of affirmed bidding assignment, drawings, etc., and that risks are higher in proposal surveying stage and procurement contracting stage.
3.
予防保全方策導出におけるエルゴード解析への盲信の危険性
住田 潮, 並川 淳 (筑波大学)
 
従来の予防保全方策の研究においては、主としてエルゴード解析に重点が置かれ、超長期的な期待利潤の最適化を目的とすることが多かった。しかし、計画時間?がそれほど大きくないときには、期間 $[0,\tau]$ に於ける最適予防保全方策が、エルゴード解析に基づくそれと大きく異なることがあり得る。本稿では、まず、真壁(1983)の予防保全に関するセミ・マルコフモデルについて、エルゴード解析をさらに徹底させ、多数の新しい結果を導く。また、セミ・マルコフモデルの動的解析を通して、期間 $[0,\tau]$ に於ける期待利潤の線形漸近展開を確立する。最適予防保全方策に関し、動的解析とエルゴード解析とが大きく乖離する数値例を示し、計画時間 ?が十分に大きくない場合、エルゴード解析を盲信することの危険性を明らかにする。
4.
超距離最小費用全域木ゲームの根付き木上の費用配分ゲームへの帰着
安藤和敏, 加藤慎士 (静岡大学)
 
超距離最小費用全域木ゲームとは, 対象となるネットワークの各枝の費用を指定する費用関数が超距離 (ultrametric) であるような最小費用全域木ゲームである. 本論文ではまず, 任意の超距離最小費用全域木ゲームは, 根付き木上の費用配分ゲームとして表現できることを示す. nをプレーヤの数とすると, この表現はO(nˆ2)時間で求められる. この結果と根付き木上の費用配分ゲームの求解の計算量に関する既存の結果により, 任意の超距離最小費用全域木ゲームのShapley値, 仁, 平等配分 (egalitarian allocation) を見出すためのO(nˆ2)時間アルゴリズムの存在が示される.
5.
1993年日本における連立政権の安定性の動的分析
福田恵美子(防衛大学校) 武藤滋夫(東京工業大学)
 
本研究では,動的提携形成モデルとその安定性基準を用いて,1993年の日本の連立政権の安定性を分析した。静的提携形成モデルを用いた分析では,当時形成された細川政権が唯一の安定な政権であったという結果が知られている。これに対し,交渉過程を考慮した動的モデルでは,自由民主党(自民党)が交渉の主導権を握っていれば自民党が与党入りする連立政権も安定となり得ることが示された。また,交渉にかかる金銭的・人的コストが極端に大きくも小さくもなく,自民党以外が主導権を握り交渉を進めた場合のみ,細川政権が安定となることが示された。自民党を含む連立の誕生もあり得たものの,日本新党,新生党等が野党同士の連立交渉を進めて細川政権を実現させたという,実際に起きた事柄を理論的に確かめる結果が得られた。
 
6.
ランダムな準備時間を考慮したジョブの順序付けを伴うベイズ的逐次単一機械バッチサイズ決定問題
濱田年男 (兵庫県立大学)
 
We consider single machine batching and scheduling problem in which the processing time of each job is known, but the setup time is a random variable from the distribution with an unknown parameter. Batch sizes are determined sequentially, that is, the size and jobs of the first batch are determined by using the prior knowledge and observed the value of a setup time, then the size and jobs of the second batch are determined by using the value of the first setup time, and so on. Since this problem is a sequential decision problem, it is formulated by dynamic programming and several properties are obtained.
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JORSJ 53-2

1.
信頼性理論におけるバックワードとバックアップに関する最適方策
Mingchih Chen (朝陽科技大学、台湾)
水谷聡志 (愛知工科大学)
中川覃夫 (愛知工業大学)
 
本論文では、信頼性理論における最適保全方策の新しい応用モデルをいくつか示す。最初に、故障を検出 したとき、正確な故障時刻を調べる問題を考える。過 去の適当な時刻まで遡り、そこから調べ直すことにより、正確な故障時刻を求める問題をバックワード問題 と呼ぶ。この問題は逆故障率を用いて解析することが できる。ここでは、バックワード問題の拡張として、 バックワードの試行を複数回実施するモデルを提案する。また、故障が発生したとき、最近のチェック時刻 から回復処理を実施するバックアップ方策を取り上げ る。本論文では、チェック時刻が定期、逐次、仕事の ランダムな完了時刻の三つで実施される場合を考え、 解析する。最後に、このような問題の応用として、故 障発生時の状態を記録するトレーサビリティ問題について、いくつかのモデルを提案する。
 
2.
相関構造を持つ多次元ショックモデル及びネット・ユーザー閲覧行動分析における応用
住田 潮、左 金水(筑波大学)
 
本論文では、一つの再生過程より生成される相関構造を持つ多次元ショックモデルを提案する。すなわち、時間間隔が独立な確率変数列Y(k)で与えられる再生過程を考え、k回目の再生時点で同時に起きるJ種類のショックの大きさを確率ベクトルX(k)=(X1(k),・・・XJ(k))で表す。X(k)とY(k)の間には相関があってもよいが、[X(k), Y(k)]はkに関して独立で同じ分布を持つ確率ベクトル列を構成すると仮定する。Xi(k)はそれぞれziなる閾値を持つとし、少なくとも一つの要素が対応する閾値を超えた時に、システム全体が故障すると定義する。この確率モデルの動的解析を通して、システム生存時間のラプラス変換、平均及び分散を導出する。さらに、複数要素が同時に閾値を越えた場合には、その中で最大ショックを発生した要素をシステム故障の原因と定義し、第j要素が故障の原因となる確率を陽に求める。このような多次元最大値型ショックモデルの応用として、e-マーケティングにおける顧客情報探索行動をモデル化し、探索終了時間の分析を行う。
3.
スポット市場調達を考慮した連続時間在庫モデルについて
佐藤 公俊、澤木 勝茂(南山大学)
 
本論文では,原油や小麦などの商品価格が不確実に変動するスポット市場で取引される製品に対する在庫問題を考える.市場価格の変動が大きい場合,契約による製品調達よりも実際の市場価格と手持ち在庫量を連続的に観測し,適切な時期に適切な量をスポット市場で調達することの方が価格リスクに柔軟に対応できる場合がある.このような調達手段が利用可能な場合,最適な発注政策を導出するために,連続時間の下で商品価格が幾何ブラウン運動に従うモデルをインパルス制御問題として定式化する.目的は総期待費用の最小化であり,需要量が確定的な場合について単純な最適発注政策が存在することを示す.
4.
マルチフロー・ロッキング定理に関するノート
平井 広志(京都大学)
 
端子集合Tを持つ無向ネットワークにおける多品種流(以下マルチフローと呼ぶ)を考える.任意の非空な端子真部分集合Aに対して,マルチフローfは,(A,T-A)間の1品種フローとみることも出来る.T上の部分集合族Rについて,Rの属する任意の集合Aに対し,fが最大(A,T-A)フローになっているとき,fはRを「ロックする」という.1978年に,KarzanovとLomonosovは,集合族Rが3-非交差であることが,いかなるネットワークにおいてもRをロックするマルチフローが存在するための必要十分条件であることを示した.これがマルチフロー・ロッキング定理と呼ばれるものである.さて,マルチフローは,任意のT上の(2分割とは限らない)半分割(A,B)に対しても,(A,B)間の1品種フローとみることも出来る.本論文では,この観察に基づき,半分割族に対して,上述のマルチフロー・ロッキング定理の拡張を与える.
5.
スタティックな交通網におけるセカンドベスト混雑課金とユーザの非斉一性
城戸 豊和(みずほ第一フィナンシャルテクノロジー㈱)
増田 靖(慶應義塾大学)
 
本論文では、弾性的需要のもとで、リンクの一部しか課金ができないような交通網におけるセカンドベスト混雑課金について議論する。セカンドベスト混雑課金ルールの単純な数式表現を導き、その解りやすい解釈を与える。ユーザの非斉一性と匿名性の問題も検討する。セカンドベスト混雑課金の分析を、ユーザが非斉一の場合に拡張し、ユーザのタイプに依存した課金方式と依存しない課金方式が社会厚生に与えるインパクトを精査する。
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JORSJ 53-3

1.
3種類の消費者セグメントを考慮した独占市場における消耗品ビジネスの最適価格
三道弘明 (大阪大学), 小出 武 (甲南大学)
 
本研究では,独占市場における消耗品ビジネスに対する最適価格戦略を論じるためのモデルを提案した.ここでいう消耗品ビジネスとは,生産者がシステムとそれに不可欠かつ交換可能な消耗品の双方を扱う場合のビジネスを意味する.提案のモデルは次の3種類の消費者セグメントを考慮している.(1)合理的な購買行動を示し,システムの利用頻度が高いパワーユーザ,(2)購買行動は合理的であるが,システムの利用頻度はそれほど高くないノーマルユーザ,(3) 購買行動がシステム価格のみによって決定され,利用頻度もそれほど高くない近視眼的なノーマルユーザ.
提案のモデルに基づき,生産者はパワーユーザのみにターゲットを絞るのではなく,近視眼的なノーマルユーザも視野に入れた価格設定を行うべきであることを明らかにした.
2.
グループコンセプトを利用したプレキャストプロジェクト計画の最適化モデル
An Optimization Model for Precast Project Planning Using Group Concepts
Kuo-Chuan Shih (National Chengchi Univ.)
Shu-Shun Liu (National Yunlin Univ. of Science & Technology, Taiwan)
 
Construction projects adopting precast pieces are feasible to reduce project uncertainties over components which are produced in factories, stored in factories or external sites, and transported with trucks to satisfy installation demand. In order to create project plans, planners should arrange available resources and select appropriate ways to produce, store, and transport components. This study adopts several group ideas to organize an overall precast project. Based on these group concepts, an optimization model and a recursive procedure are proposed. Appropriate molds and zones can be determined in the recursive procedure, and the project plan can be created through the optimized project costs. An example experiment is demonstrated to explain the feasibility of the proposed model and group concepts.
3.
消費者離散選択モデルのもとでの収入管理問題の確率比較
三木秀夫、 曹 徳弼、 増田 靖 (慶應義塾大学)
 
本論文では、収入管理問題において、消費者行動と市場規模に関する期待収入の単調性について議論する。消費者行動は、一般的な離散選択モデルによって記述 されているものとする。企業は、各期において、どのような「料金商品」の集合を客に提示するかを決める。消費者行動の「料金商品」に対する選好に関する通常の確率順序関係を考えると、この順序関係が期待収入に関する単調性を意味するのではないかという直感を持つのであるが、実はそのようにはならないことを具体的な例で示す。期待収入に関する単調性が成立するための十分条件をいくつか示す。これらの条件は、企業にとって望ましい消費者行動の変化を特定する。
4.
順序づけ可能な積替量ベクトルを持つ輸送問題の近似困難性
山下耕学、軽野義行 (京都工芸繊維大学)
呂 明哲 (東北財経大学、中国)
 
本論文では,順序づけ可能な積替量ベクトルを持つ輸送問題の近似困難性を検討する.総輸送費用の最小化を目的とするこの問題は,NP困難であることがすでに知られていた.本論文では,各枝における単位輸送費用が正整数で与えられる場合でも,P≠NP仮説の下では,この問題に対して多項式時間で動作する定数倍近似アルゴリズムが存在しないことを証明する.
この近似困難性は,NP完全な問題3DMからのギャップ導入帰着によって得られる.一方で,最小費用流緩和と二部グラフにおける最小重み完全マッチングを用いたヒューリスティックを提案するとともに,それによって得られる総輸送費用の上界を示す.

JORSJ 53-4

1.
エントロピー最大化法に基づくトリップチェイン行動のための空間相互作用モデル
本間 裕大 (早稲田大学), 栗田 治 (慶應義塾大学), 田口 東 (中央大学)
 

空間相互作用に関する既存研究では,その多くが発生から集中という2点間で定義される流動を,分析対象としている.しかしながら,人々の移動行動に着目すると,何ヶ所かの地点を連続的に訪問するトリップチェイン行動が,頻繁に行われている.このような背景から,本研究では,発生・集中制約付きエントロピー最大化法に基づく空間相互作用モデルを一般化し,周回行動を行うトリップチェインのための,新たなるモデルを構築する.本モデルの枠組みによって,発生量制約のみならず,目的ゾーン同士での行き来を考慮した集中量の制約をも課した上で,周回行動を明示的に考慮した分布交通量の推定が可能となる.また,モデルの具体的な適用例として,東京圏・消費者移動行動データを用いた検証も行った.
2.
選択的割引戦略による発注回数削減がサプライチェーン在庫調整に及ぼす影響に関するモデリング
Modeling the Effect of Order Timing Reduction on Coordinating Supply Chain Inventories Using a Selective Discount Strategy
Wen-Chin Tsai (I-Shou University, Taiwan)
Chih-Hsiung Wang (National Pingtung Institute of Commerce, Taiwan)
 

Prior studies show that coordinating supply chain inventories with common replenishment epochs (CRE) provides benefit for vendor and buyers. Coordination using selective discount (SD) strategy allows some buyers to participate in the coordination scheme while other buyers continue to order as earlier. This can reduce the vendor's total cost more than that of all buyers participating and no buyer coordination in many circumstances.
This paper considers the situation in which SD buyers place orders before CRE due to demand timing uncertainty. According to vendor flexibility, each SD buyer with early ordering incurs various levels of penalty cost to compensate for possible capacity loss for the vendor. The proposed models also allow for a more practical situation by considering the cases of equal and unequal probabilities of early ordering for SD buyers. The results indicate that the vendor's cost savings can be improved substantially based on the vendor flexibility, probability of early ordering, and the number of SD buyers involved in early ordering.

3.
MTO B2B産業で要求される設備稼働率の下での収益最大化のための発注許可制御
Using Order Admission Control to Maximize Revenue under Capacity Utilization Requirements in MTO B2B Industries
Andy Wu, David Chiang, and Cheng-Wen Chang (National Taiwan University)
 

An order admission model is developed to  introduce revenue management into MTO B2B industries. This solution is designed to resolve a common order management dilemma faced by manufacturers with severe seasonal demands. Considering the requirement that manufacturing industries be risk averse, the objective is to maximize the expected total revenue under a targeted capacity utilization constraint. The deterministic admission problem and its auxiliary model are presented and solved through an iterative dynamic programming algorithm. Through this algorithm, a reward-threshold order admission policy can be established at the beginning of the planning horizon, helping companies to achieve a balance between profitability and stability.
4.
多目的多制約を持つ湖水観測地点の配置問題
原口 和也 (石巻専修大学), 佐藤 祐一 (滋賀県琵琶湖環境科学研究センター)
 

飲料用水源の監視や水質状況の把握など様々な目的のため,琵琶湖では定期的に水質観測が行われている.現在の湖水観測地点の配置は湖を単純に平面的に切って定められたものであり,必ずしも水質形成機構の解明に有効に寄与するものではないことなど,いくつかの課題が挙げられている.本論文では,一般に複数の目的および制約を持つ湖水観測地点の配置問題を最適化問題として定式化し,反復局所探索法に基づくアルゴリズムを設計する.現実の琵琶湖の状況に即して計算実験を行ったところ,観測地点の水質データから湖全体の真値分布を推定する計算において,現行の配置より高い精度を達成する配置を得た.(過去に佐藤らが提案した琵琶湖流域水物質循環モデルの出力値を真値分布として用いる.)またいくつかの地点は比較的頻繁に出力解に含まれることが観察され,新たな観測地点としての可能性が期待される.
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シンポジウム
 
研究発表会
2017年春季研究発表会
日程:
2017年3月15日(水)-17日(金)
場所:
沖縄県市町村自治会館