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JORSJ 61-1 JORSJ 61-2 JORSJ 61-3 JORSJ 61-4

JORSJ 61-1
A Special Issue, Part 2, on the 60th Anniversary of the Operations Research Society of Japan

1.
マトロイド制約下での重み付き最適選好マッチングの特徴付け
神山 直之(九州大学)
本論文では片側のみが選好を持つ二部グラフ上のマッチング問題の一つである最適選好マッチング問題を扱う.まず既存の重み付き最適選好マッチング問題のマトロイド制約を持つ設定への拡張を提案し,その後マトロイド制約下での重み付き最適選好マッチングの特徴付けを与える.さらに,この特徴付けを用いることにより,与えられたマッチングがマトロイド制約下での重み付き最適選好マッチングであるかを判定する問題が効率的に解けることを示す.
2.
戦略的投資ゲームにおけるリアルオプション とシグナリング
渡辺 隆裕(首都大学東京)

本論文では,既存企業と新規企業が,不確実性のあるプロジェクトへの投資タイミングを決定する状況をリアルオプションとゲーム理論のシグナリングゲームを応用して,分析をした論文である.プロジェクトの収益の源泉となる顧客需要に対する情報を,既存企業だけが持っており新規企業はこれを知らない.一方で,その需要が決まったとしても,収益フローには更なる不確実性があり,これは幾何ブラウン運動によって表現され,両企業に共通であるとする.両企業は,最適なタイミングでプロジェクトに投資しようと考えているが,需要が大きいことを知る既存企業の早期投資は,その需要に関する情報を新規企業に知らせることになり(シグナリング効果),新規企業は投資時期を早めるため,競争状況を作り出し既存企業の先行利益を減じる.したがって既存企業はたとえ需要が大きい場合でも,(既存企業の投資を考えないような)最適なタイミングでの投資を避けるかもしれない.本論文では,均衡において既存企業が最適タイミングで投資する場合と戦略的に投資を遅らせる場合の条件を求め,投資コストや収益率,およびボラティリティに関して,どのように両企業の行動が変化するかを求めた.

3.
大規模小売,小規模小売間の価格競争と社会厚生の比較
三道 弘明(関西学院大学)
鈴木 理沙((株)湯木)

本研究では,ホテリングモデルを用いて大規模チェーンの小売と地域密着型の小規模小売による価格競争について考察した.両者の品揃えの違いを表現するために,大規模小売ではG1, G2 の2種類の財を扱い,小規模小売ではG1 の1種類の財のみを扱うと仮定した.また,すべての消費者は必ずG1を購入し,さらに必要に応じてG2を購入するとした.この上で財G1に関する価格競争を考え,ナッシュ均衡,シュタッケルベルク均衡のいずれにおいても,小規模小売も利益を出すことができ,価格競争に生き残ることができることを明らかにした.さらに社会厚生についても分析した結果,消費者がG1, G2両方の財を購入する場合には,G1に対して大規模小売と小規模小売が同じ価格を採用し,結果として大規模小売による独占市場において,社会厚生が最大となることを示した.

4.
無制約最適化問題に対する十分な降下方向を生成するメモリーレス対称ランクワン法
中山 舜民(東京理科大学)
成島 康史(横浜国立大学)
矢部 博(東京理科大学)

準ニュートン法は無制約最適化問題に対して有効な数値解法であるが,行列の保存や演算を行う必要があるため大規模な問題への適用は実用的でないという欠点がある.そのため,Shanno(1978)によって陽に行列を使用しないメモリーレス準ニュートン法が提案された.近年では,いくつかのメモリーレス対称ランクワン法が提案されている.それらの方法は一様凸な目的関数に対して十分な降下条件を保証し,大域的収束性が示されているが,一般関数に対してはそうした性質は示されていない.本論文ではスペクトラル・スケーリングセカント条件に基づいた対称ランクワン公式を提案し,その公式を用いたメモリーレス準ニュートン法を提案する.さらに,提案手法が常に十分な降下方向を生成し,一般の目的関数に対して大域的収束することを示す.最後に,数値実験を通じて有用性を検証する.

5.
グラフ構造上のL凸性
平井 広志(東京大学)

本論文では,著者によって導入された二つの新しい離散凸関数のクラスである「モジュラ半束上の劣モジュラ関数」と「有向モジュラグラフ上のL凸関数」を考察する.我々は,このクラスがk-劣モジュラ関数,L ♮凸関数,ツリー劣モジュラ関数,UJ凸関数といった,いくつかの離散凸関数を包含することを示す.そして,この新しいL凸関数に対する最急降下法の反復回数の精密な評価を与える.さらに,モジュラ半束・有向モジュラグラフ上の関数に対しLovász拡張のアナロジーを導入し,いくつかのクラスにおいて,劣モジュラ性・L凸性がLovász拡張の凸性によって特徴付けられることを示す.また,多品種フローやマルチカット問題などの組合せ最適化問題への応用を示す.

6.
ストック・オプション公正価値評価のための近似バリアオプションモデル
木村 俊一(関西大学)

ストック・オプションとは,企業がその取締役や従業員に対して,あらかじめ定められた価額で自社の株式を取得できる権利を付与する新株予約権の一種である.ストック・オプション会計基準の運用指針では,株式オプション価格評価モデルを用いたストック・オプションの公正価値評価方法の要件を規定しているが,早期行使,権利移転期間,失効等のストック・オプションに固有な制約のために,最終的な評価モデルは未だに確定していない.本論文では,内生的に定められる近似境界をもつバリアオプションモデルを用いることで,ストック・オプション公正価値と権利行使時刻分布に対する明示的で閉じた評価式を導出する.二項モデルをベンチマークとする公正価値に対する数値実験により,本モデルが誤差1%未満の高い精度をもつことを示す.

7.
高速な重複検出手法およびビットマップ図形配置問題に対する構築型解法
胡 艶楠・深津 翔(名古屋大学)
橋本 英樹(東京海洋大学)
今堀 慎治(中央大学)
柳浦 睦憲(名古屋大学)

ビットマップ表現された二次元図形(ビットマップ図形と呼ぶ)を長方形の容器に重なりなく配置する問題を考える.ビットマップ形式とは,図形を格子状に並んだ正方形(セル)の集まりとして表現する形式であり,計算幾何学においてしばしば問題となる数値誤差から解放されるという利点がある. 一方,ビットマップ図形では複雑な形状を表現でき,また,取り扱
うデータ量も膨大になるため,図形の配置に対して重なりがあるか否かを高速に判定するのが難しい.本研究では,効率的にビットマップ図形を扱うデータ構造と図形の配置に対して重なりの有無を判定する手法を提案する.また,それらをレクトリニア図形配置問題に対するbottom-left法とbest-fit法に組み込むことで,ビットマップ図形配置問題に対する効率的な構築型解法を提案する. 計算実験の結果,提案手法が良い解を短い時間で構築でき,特に大規模な問題例に対して,性能がよいことを確認した.

8.
不動点定理を用いたドロネーグラフの特徴付け
松井 知己(東京工業大学)
宮本 裕一郎(上智大学)

本論文では,与えられたグラフがドロネーグラフであるかを判定する問題を扱う.この問題は,廣島,宮本,杉原(2000)の論文において,線形計画問題を解くことによって判定が可能であることが示されている.彼らの論文における証明はユークリッド幾何に基づく初等的なものであるが,非常に長く複雑である.本論文では,彼らの論文で示された定理に対し,不動
点定理を用いた単純で短な証明を与える.

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JORSJ 61-2

1.
集合関数のM♮凹性と共役関数の劣モジュラ性の同値性について
室田 一雄(首都大学東京)
塩浦 昭義(東京工業大学)
離散凸解析における基本定理として,集合関数がM♮凹性をもつこととその(凸型の)共役関数が劣モジュラ性をもつことが同値であることが知られている.この事実は経済学的に重要な意味をもち,不可分財に対する効用関数が粗代替性をもつことと対応する間接効用関数が劣モジュラ性をもつことの等価性を示している.この定理は2001年にDanilovとLangの論文によって初めて示され,その後,いくつかの証明が与えられている.本論文では,離散凸解析における他の定理を利用することなく,定義に基づく初等的な議論によって,この等価性に対する証明を与える.
2.
LR-型ファジィ数をもつ完全ファジィ線形計画問題の直接的なアプローチによる解法
Zengtai Gong (Northwest Normal University)
Wencui Zhao (Yifu Experimental Middle School of Tianshui)
Kun Liu (Longdong University)

The fuzzy linear programming problem with triangular fuzzy numbers in its objective functions or constraints has been discussed by many scholars based on using Zadeh’s decomposition theorem of fuzzy numbers and transforming it into some crisp linear programming problems. However, the existing methods and the results will be limited when the objective functions(or the constraint functions)of a fuzzy linear rogramming contain generalized fuzzy numbers. In this paper, we first investigate the approximate representation of the fully fuzzy constraints and the transformation theorem of the fully fuzzy linear programming problem by means of the dentition of the extended LR-fuzzy numbers. At the same time, the fully fuzzy linear programming problem is solved by transforming it into a multi-objective linear programming problem under a new ordering of GLR-fuzzy numbers proposed in this paper. Finally, the results obtained are compared with the existing work, and some numerical examples are given.

3.
線形計画問題に対するTardosの解法と単体法
水野 眞治(東京工業大学)
鮏川 矩義(中央大学)
デザ アントワーヌ(マクマスター大学/パリ南大学)

線形計画問題に対する強多項式時間解法の存在は長年の未解決問題である.1986年にTardosは,補助問題を繰り返し解いて元問題を間接的に解く枠組みを提案した.Tardosの解法は,係数行列のサイズが入力次元の多項式である場合,補助問題を多項式時間解法
で解けば,強多項式時間解法となる.組合せ最適化で生じる多くの入力例がこの条件を満たすため,応用範囲の大きな成果と言える.一方の単体法は,理論面で良い性質はあまり知られていないものの,実際の効率が非常に良い基本的な解法である.本論文では,Tardosの枠組みにおいて補助問題の解法に単体法を利用する方法を提案し,その計算量を解析する.提案解法は,非退化の仮定の下で,係数行列の最大部分行列式の絶対値が入力次元の多項式である場合,強多項式時間解法となる.

4.
学術情報ネットワークにおけるキャッシュの最適配置
Than Nguyen Hau(Global Cybersoft JSC)
垣村 尚徳(慶應義塾大学)
河原林 健一(国立情報学研究所,ERATO河原林巨大グラフプロジェクト)
小林 佑輔(筑波大学)
松岡 達也(東京大学)
横井 優(国立情報学研究所)
通信ネットワークの運用において,キャッシュの活用はデータ通信量を削減するための有用な手段である.近年,我が国におけるSINET(Science Information Network)のような学術情報ネットワークでは,データ通信量が急激に増加しており,キャッシュ配置の最適化は重要な課題である.本稿では,この問題を離散最適化問題として定式化し,2つのアルゴリズムを提案する.まず,学術情報ネットワークが木に近い構造を持つという事実に着目し,木幅とアイテム数を定数として多項式時間アルゴリズムを与える.次に,各アイテムのコピーが高々1つであるという条件のもとで,最小費用流問題への帰着を利用して多項式時間アルゴリズムを与える.さらに,実際のSINETのネットワークを用いた数値実験により,提案アルゴリズムによって通信量が大きく削減できることを示す.
5.
供給ネットワークの柔軟性を考慮した動的在 庫管理モデル
佐藤 公俊(神奈川大学)
竹澤 直哉(南山大学)

本研究では複数の供給点と需要点からなる2段階サプライチェーンにおいて供給の途絶リスクに直面した企業の在庫問題を考える.企業の目的は有限期間にわたる総期待費用の最小化である.本研究では供給ネットワークに柔軟性をもたせ,市況に応じて切り替える
ことで供給途絶リスクの低減を目指す.この問題をマルコフ決定過程として定式化し,最適発注政策が市場の状態に依存した基点在庫方式となることを示した.また,複線化された供給において,バックアップの役割をもつサプライヤを定めるための新たな指標を提案
した.さらに,数値計算により,供給ネットワークの柔軟性が生産在庫費用の削減に有効であることを示した.

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JORSJ 61-3

1.
レジーム・スイッチを考慮した線形リバランス戦略による多期間動的ポートフォリオ最適化
小松 高広(ゴールドマン・サックス・ アセット・マネジメント(株))
牧本 直樹(筑波大学)
近年,レジーム・スイッチを考慮したポートフォリオ最適化への関心が高まっているが,実務的制約の下で解析解を得ることは一般に困難である.本論文では,Moallemi and Saglam(2015)が提案した線形リバランス戦略をレジーム依存に拡張し,レジーム依存の係数で線形結合したファクターによって投資比率を決定する多期間動的ポートフォリオ最適化を提案する.まず,予算制約と空売制約を課し,執行コストを考慮した多期間平均-分散効用の最大化問題を,緩やかな数学的仮定の下で計算可能な2次計画問題として定式化した.また,レジーム・スイッチによって指数的に増加する最適化変数を効果的に抑制するためのサンプル空間縮約手法を提案した.数値実験により,執行コストを考慮しない最適化に比べて提案手法の方が優れたパフォーマンスを示すことや,最適化ホライズンを長くすることでパフォーマンスが改善することなどを検証した.
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JORSJ 61-4

 
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イベントカレンダー
本部SSOR 2018
-創立60周年記念事業-
特別講演:
大宮元会長、大山前会長
日程:
2018年8月29日(水)~31日(金)
場所:
水上温泉 源泉湯の宿 松乃井(群馬県)

中国・四国地区SSOR
日程:
2018年9月13日(木)
場所:
白兎(はくと)会館(鳥取市)

第30回RAMPシンポジウム
日程:
2018年10月10日(水)-11日(木)
場所:
広島国際会議場
シンポジウム
2018年秋季シンポジウム
日程:
2018年9月5日(水)
場所:
名古屋市立大学
桜山(川澄)キャンパス

2019年春季シンポジウム
日程:
2019年3月13日(水)
場所:
千葉工業大学
津田沼キャンパス
研究発表会
2018年秋季研究発表会
日程:
2018年9月6日(木)-7日(金)
場所:
名古屋市立大学
滝子(山の畑)キャンパス

2019年春季研究発表会
日程:
2019年3月14日(木)-15日(金)
場所:
千葉工業大学
津田沼キャンパス