社団法人 日本オペレーションズ・リサーチ学会
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会長挨拶 更新 05/28/2008
研究成果を学会外へ発信しよう
伏見正則(南山大学 教授)

このたび、会員の皆様のご推挙により、青木会長の後を受けて会長の大任を仰せつかることになり、身の引き締まる思いをしております。このことは、私にとりましては、まことに想定外のことでありました。会員にしていただいてから約40年になりますが、2000年までは東京近辺に勤務先がありましたので、ほとんど常に学会の運営のお手伝いをしておりました。IAOR誌の編集委員を皮切りに、研究普及委員、機関誌編集幹事、国際幹事・理事、IFORS代表、経営工学関連学会協議会代議員、編集理事(論文誌担当)、無任所理事、学術会議経営工学研究連絡委員会委員、副会長などを務めさせていただきました。どの職務についてもいろいろな思い出がありますが、なかでもAPORSの設立に協力し第3回の大会を福岡で開催したこと、OR学会会員が科研費の申請をしやすいような体制を作るのに努力したこと、創立40周年記念事業のひとつとしてOR事典の編集に携わったことなどは、費やした時間も長く、特に印象に残っているものです。
2000年に名古屋・瀬戸市に勤務先が移ってからは、学会の運営から遠ざかっていて、最近の学会の実状に疎くなっています。また、INFORMSや中国OR学会などの会長が大変に若返っているのを見ると、私のような者が会長職に就くことには大きなためらいを覚えますが、幸いなことに理事会には強力なメンバーがそろっていますので、懐古趣味に陥ることなく、協力して前進してゆきたいと思っています。
OR学会は昨年創立50周年を迎えたわけですが、50年間の活動の蓄積・資産は膨大であります。これらの一端は、機関誌、論文誌、OR事典、OR事例集、等の出版物でうかがわれます。特に理論やアルゴリズム面での貢献・蓄積は大きく、国際的にも高く評価されている業績も多数あり、これは当学会の大きな誇りであります。一方では、国内におけるOR学会外からのORに対する評価は必ずしも芳しいものではありません。これらの評価・批判のうちには、無理解や誤解に基づくもので妥当とは思えないものもありますが、われわれとしても、高度な理論的研究の成果を易しい言葉で語って理解してもらうようにする努力や、ORが現実の社会の問題を解決するのに役立つことをいろいろな場面で実証してみせることが大切だと思います。私の勤務先である南山学園・南山大学は、先年INFORMSのFranzEdelmanPrizeのFinalist賞とOR学会の実施賞を受賞しましたが、これらは最先端の理論ではなくて、比較的初歩的な考え方や手法を使って事務職員等にも理解できる形でORを実践するという草の根的な努力の結果であります。
批判の中には、ORが数学的な理論や手法の研究ばかりやっていて、オペレーションの研究を軽視しているというものがありますが、最近の研究発表会での発表を聞いていますと、目新しい現実問題の解決に正面から取り組んでいる研究も数多くあり、頼もしく感じられました。これらの成果を学会内だけではなく、学会外に対しても伝える努力を、研究者個人まかせではなくて、学会としても組織的に行って、ORおよびOR学会の存在意義を社会にアピールしていくことが大切なのではないでしょうか。皆様のご支援、ご協力をお願い致します。

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