特集にあたって−機関車OR号−
八巻直一
あらまし
鉄道の歴史は、19世紀から20世紀の技術史そのものを写す映画にも例えられるだろう。しかも、鉄道は単独の機械ではなく、システムであり、その意味でORの発想が数多く含まれている。本稿では、OR的視点から鉄道技術の発展のごく一部を追跡する。
キーワード
鉄道、技術史、OR
鉄道OR日誌
八巻直一
あらまし
鉄道ORの中の、解決されていない問題として、列車の入れ替え問題をとりあげ、その紹介と困難な部分を解説する。
キーワード
鉄道、スケジューリング、最適化
最長片道切符
宮代隆平、葛西隆也
あらまし
最長片道切符とは、JRで買うことができる片道切符のうち、経路の長さが最も長いもののことである。最長片道切符のルートがどのようなものになるかは昔から議論があったが、決定的な解答は得られていなかった。筆者らは、整数計画法を利用してこの問題に対する厳密な最長ルートを与えた。さらに、実際に最長片道切符を購入し、最長ルートを鉄道で旅行した。本稿では、最長片道切符のルートを求めた手法の紹介、および「最長片道旅行記」をお届けする。
キーワード
鉄道、最長路問題、整数計画法
乗りつぶしのOR
鈴木 勉
あらまし
鉄道趣味の代表である「乗りつぶし」を郵便配達人問題として解き、JR全線のネットワークを対象に乗りつぶし易さを考察する。全長約20,000kmの路線延長に対して、約1/4に相当する5,000km程度の2回乗車が必要になることが示されるとともに、盲腸線や奇数次の駅数の多寡によって乗りつぶしやすい地域と乗りつぶしにくい地域があることが例示される。
キーワード
鉄道、乗りつぶし、郵便配達人問題
欧州路面電車の魅力
伊藤 雅
あらまし
日本では一時、都市公共交通の要として隆盛を極めた路面電車であるが、欧州では現在でも都市公共交通を支える重要な柱であるだけでなく、一旦廃止した都市において再び導入する動きまで出ている。ここまで注目される路面電車の魅力は何なのか。そこには欧州における路面電車の利便性へのあくなき追求と交通政策に対する考え方の違いが存在している。筆者の研究テーマとしてドイツへ渡った経験をもとに欧州路面電車の魅力に迫る。
キーワード
都市公共交通、路面電車、都市再生
鉄道のスケジューリングアルゴリズム−現状と今後の課題−
富井規雄
あらまし
鉄道においては、列車ダイヤに代表されるように、列車の時刻、車両・乗務員の運用計画等がすべて事前に定められ、それに従って列車が運転される。最近では、これらのスケジュールは、コンピュータによる支援システムを用いて作成されるようになってきているが、作業効率のさらなる向上等を目指して、自動作成アルゴリズムが望まれるようになっている。本稿では、鉄道におけるスケジュールの作成について、現状の実態、自動作成アルゴリズムに関する研究動向、アルゴリズム開発にあたっての難しさ、今後さらに検討を必要とする課題等について述べる。
キーワード
鉄道、列車ダイヤ、車両運用計画、乗務員運用計画、構内作業計画、スケジ ューリングアルゴリズム、メタヒューリスティクス