APSの論理構造−MRPからの離脱− 黒田 充
  あらまし 本稿では、APS誕生の必然性を米国の生産管理の体制といえるMRPが抱える構造的問題を明らかにすることによって示す。さらに、APSは、OPT・TOC、生産座席予約システム、製番管理方式などのMRPと対立しながら並存していきた概念や方法を集約し、発展させたものであり、それが多品種少量生産、受注生産の要求を実現するうえで不可欠な論理構造を保有していることを述べる。
  キーワード APS、 MRP、多品種少量生産、受注生産、動的スケジューリング、動的ペギング、論理構造
     
APSにおけるオーダ評価方法に関する一考察 船木謙一
  あらまし 最近では、過剰在庫や欠品のリスクを減らすため、製品分野を問わず受注生産化を志向する企業が増えている。見込み生産から受注生産への移行により、従来、製品在庫を境に分断していた販売側の顧客オーダと製造側の製造オーダはシームレスに直結される。受注生産の下でのAPSは、このような販売側と製造側の直結を実現する要になり、両者の価値評価基準を統合した評価尺度によりオーダを評価し、計画立案できなければならない。本論では、受注生産の下でのAPSにおけるオーダ評価方法のあり方について報告する。
  キーワード APS、受注生産、顧客オーダ評価、生産計画
     
ネットワーク型SCMにおけるAPSの役割 成松克己
  あらまし サプライチェーンマネジメントでは、APSが中核となるソフトウェアとして注目されている。ここでは、ネットワーク状のサプライチェーンに対してAPSがどのような役割をもっているのかを整理するとともに、現在の枠組みの問題点と今後の方向性について議論する。
  キーワード サプライチェーン、ネットワーク、生産計画、柔軟性、APS
     
引当て処理の特徴とAPSにおける機能化 荒川雅裕
  あらまし 本論文では、見込み・受注の混合生産環境における“引当て”処理の視点からAPSで利用される機能の特徴や問題点、事例などを示す。引当て処理はスケジューリングと在庫管理(制御)の機能の統合が必要である。これは計画系と運用系間の“生産運用の流れ”を統合、操作を行うことであり、この統合と操作の実現がAPSの特徴であることを説明し、さらに過去の研究で議論されている操作方法を解説する。
  キーワード 引当て、APS、在庫制御、スケジューリング、見込み・受注混合生産
     
APS導入の実際−現場からの報告−
野本真輔
  あらまし APSによる生産管理システムの再構築や、スケジューリングシステムの開発・導入方法については、さまざまなところで論じられている。当社も、このようなさまざまな論議を参考にしつつ、実際の導入プロジェクトの経験を通じて、よりスムーズにかつ期待通りの効果を上げられるような導入方法について模索を続けている。ここでは、現在のところ当社で標準的な導入の手順と考えている導入プロセスや考え方について紹介する。
  キーワード APS導入手順、APSと基幹システム、業務フロー設計