企業経営における製品の環境品質のトレーサビリティ
盛岡 通
あらまし
企業経営における顧客や社会とのコミュニケーションは製品の環境品質を要求するにいたっている。それは「安心・安全のトレーサビリティ」である。製品の流れに沿ったマネジメントにより安全で環境負荷の小さい環境品質を実現する上で、主体間の協力・連携が欠かせない。製品サービスシステムやコンプライアンスの推進によって環境品質を高めながらビジネス・チャンスを得ることを強調している。RoHS規制に対する電気・電子機器メーカの対応行動や食品の安心・安全の取組みを事例として紹介し、プロダクト・スチュワードシップに沿った企業経営について論じている。
キーワード
環境品質、プロダクト・スチュワードシップ
煙感知器製造工程における工程データの有効活用
あらまし
我々製造メーカが様々な商品を製造、販売していくに際し、ユーザに対し常に安定した品質の商品を提供することはもちろんのこと、万一市場で不具合が発生した場合、その商品の解析および原因追及を迅速に行い、修理サービス等につなげていくことが不可欠となる。これらの課題に対し、商品の製造工程において、様々な工程データを活用し、トレーサビリティの充実を図ることが非常に有効である。そこで本稿では、当社の主力商品の一つである煙感知器の製造工程における工程データの有効活用を行った事例について紹介する。
キーワード
トレーサビリティ、工程データ、顧客満足、煙感知器、検査、組立、製造連番、データ蓄積、不良解析、早期発見、日常管理
加工食品製造プロセスへのトレーサビリティシステム導入について
−トレーサビリティシステム活用の可能性と問題点−
井上尚久
あらまし
近年、食品の安全性に関わる問題が頻発して、大きな社会問題になっている。最近、トレーサビリティの構築事例が多くなっているのもそのような事情によるものと思われる。しかし、食品業界を取り巻く厳しいコストダウン競争や複雑な加工工程のため、トレーサビリティを導入できる業種や企業が限られているのも事実である。今回、江崎グリコ鰍ノおいてトレーサビリティを導入した実績を踏まえ、加工食品製造プロセスにおけるトレーサビリティの導入事例を紹介しながら、その成果と問題点を説明する。
キーワード
食品業界、食品製造プロセス、生産工程、EUC
流通および販売におけるトレーサビリティ
見市 晃
あらまし
複雑な流通と販売についてのトレーサビリティの現状を、食品という領域を例にして考察する。消費者にとって必需品である食品に関して、商品のすり替え、遺伝子組み換え品種、外国産輸入牛肉、そして国内生産者・加工業者・輸送業者による不正など、国民を不安な気持ちにさせる問題が多発している。そこで農水省が力を入れているのが、食品の安心・安全回復であり、その一つの対策に食品のトレーサビリティがある。これはEUを中心として研究され始めた領域であり、確たる基準が定まっていない。本論文では種々の問題点を明らかにしたうえで、百貨店における販売事例を紹介する。
キーワード
標準化、国際食品規格委員会、百貨店、経営戦略
ネットワークシステムにおける脆弱性管理
−その仕組みと手法−
郷間佳市郎
あらまし
インターネットの発展にともない、セキュリティ問題が社会の注目を集めている。セキュリティ問題の原因の多くは、システムに存在する脆弱性の問題である。脆弱性をいかにして管理し解決するかが、セキュリティ問題を解決するための鍵であるといえる。本稿では、近年大きな発展があった効率的な脆弱性の検知手法を紹介するとともに、検知された脆弱性の危険度をいかにして管理するかといった手法について、数値化の手法などを中心に最新の取組みを紹介する。
キーワード
インターネット、セキュリティ、脆弱性