1クラスSVMと近傍サポートによる領域判別

高畠泰斗、香田正人
  あらまし 領域判別問題(domain description problem)とその判別手法である1クラスSVM(OC-SVM)について紹介する。特にガウシアンカーネルを用いたOC-SVMについて、その性質を整理し、また密度推定や近傍サポート(Support Neighbor)との関係を明らかにすることで、どのように領域判別を実現しているのかを考察する。
  キーワード 領域判別、1クラスSVM、近傍サポート、ガウシアンカーネル
     
One-Class SVM に基づく水力発電所におけるリスクマネジメント 小野田 崇
  あらまし 故障等の異常がほとんどない水力発電所の水車・発電機軸受に関する各種センサ情報にOne Class Support Vector Machineを適用して、例外状態データを発見し、その発生頻度に基づく水力発電所異常予兆発見リスクマネジメントの取組について解説する。特に、本稿では、実際の水力発電の正常状態データから外れた状態データの抽出にOne Class Support Vector Machine を適用した結果について報告する。
  キーワード One Class Support Vector Machine、リスクマネジメント、水力発電所、予兆発見
     
ラフプラシアンカーネルを用いた One-Class SVM と
 そのマーケティングへの応用
矢島安敏、矢田佳久
  あらまし 近年、Kondor等(7)のdiffusionカーネルを始めとしたグラフラプラシアン行列から構成されるさまざまなカーネル行列を用いたパターン認識法が、機械学習の分野で盛んに研究されるようになってきた。本稿では、このようなパターン認識法のひとつであるOne-Class SVM(1-SVM)をマーケティング分野へと応用し、顧客の好みに合致した商品やサービスの推薦、あるいは購買の見込みの高い顧客の抽出を試みる。ラプラシアン行列のスパースな構造を利用することで、データ数が数百万を超える場合でも、高速に処理できるスケーラビリティーの高い手法の構築が可能である。
  キーワード ラプラシアン行列、カーネル法、One-Class SVM、協調フィルタリング、推薦システム
     
最小楕円に基づく領域判別 後藤順哉、武田朗子
  あらまし 本稿では、CVaR最小化のテクニックを用い、最少包囲楕円問題を拡張した最適化問題を提示する。その定式化が正規分布の最尤推定法に対しても一般化となっていることを指摘すると同時に、領域判別の問題を含む、他の類似の問題との関係についても紹介する。また、正規分布の最尤推定の一般形を与える事実を基に、提案する最少楕円問題の多クラス判別分析への適用を試みる。
  キーワード 最少包囲楕円、最尤推定、CVaR最小化
     
改定 IP-OLDF によるSVMのアルゴリズム研究 新村秀一
  あらまし 1970年代から、数理計画法(MP)による判別モデル(またはクラスター分析)の研究が数多く行われてきた。しかし、Stamが指摘するとおり、それらのモデルは統計分野で利用されていない。その一番大きな理由は、汎化能力(統計でいうEC)の検討が弱い点である。SVMは、この閉塞感を打開するものとして期待されている。筆者は、統計的な立場から、SVMはペナルティの客観的な決定法と汎化能力の実証の2点を統計ユーザーに明らかにすべきであると考えている。本稿は、そのうちのペナルティに関して、筆者の研究テーマである改定IP-OLDFと比較して問題点を提起したい。
  キーワード 判別分析、誤分類最小化基準、マージン最大化基準、数理計画法、SVM