インターネットマーケティングの基礎と現状

田村直樹
  あらまし 本稿では、インターネットが広く一般家庭に浸透するようになった1990年代半ばから現在までの間、いかに消費者を自サイトへ「誘導」して行くかの取組みを中心に述べていくことで、インターネットマーケティングの進化の過程を俯瞰したいと考えている。
  キーワード バナー広告、ターゲティング広告、ディレクトリ型検索、ロボット検索、SEO対策、リスティング広告、バズ・マーケティング、ブログ、SNS、アフィリエイトプログラム、ロングテール現象、AISCEAS
     
Honda のクルマにおけるオンライン・マーケティング 渡辺春樹
  あらまし クルマを買う時、ネットで情報を収集する人は1998年には18%に過ぎなかった。それが2005年には59.3%となった。クルマのネット戦略で一番重要なことは、強力な自社メディアの実現である。衰退しつつあるテレビや雑誌を迂回して消費者をうまく誘導できれば、自社サイトは有効な販売促進手段ともなる。動画などリッチメディア系コンテンツも話題になるが、むしろ普通の写真やスペックを見る人のほうが多い。消費者の情報発信力も着実に強化される時代、顧客視点で情報やサービスをきちんと用意した企業サイトは最強のコンタクトポイントに成長する。
  キーワード クルマ販売、ネット・マーケティング、メディアの変革、コンタクトポイント、ネット広告
     
Blog ビジネスの可能性 藤村 剛
  あらまし Blogは日記型の情報発信用Webページを作るための仕組みといえるだろう。個人の日記帳として利用されるBlogには書き手である個人の趣味や嗜好、関心事など、さまざまな情報が書き綴られ蓄積されている。それらの情報を分析する事で、新しいトレンドをいち早く察知したり、ライフスタイルを含めた、消費者の様々な動きを補足できると考える企業も増えてきた。実際にBlogを分析する事で、これまでにない知見を獲得できたり、新たなビジネスも誕生しつつある。このような現状を踏まえ、今回はBlogビジネスの可能性について筆者の考えを述べたいと思う。
  キーワード ブログ、コミュニティ、情報分析
     
エージェント理論とオンラインオークション 池田欽一
  あらまし 本稿では、人間の代わりに、遺伝的プログラミングにより入札行動を学習する入札者(bidder)をエージェントとする仮想的オークション市場の構築法を提案する。入札行動学習において、どれだけ低い価格で落札できたかと落札率の2通りの評価基準を設定し、パラメータによりそれら基準の中間的エージェントをモデル化している。シミュレーションにおいては、価格決定方式(入札された額をそのまま入札額とするか自動入札を用いるか)、参加者が商品のおおよその価格を予想した見積価格の割当方式の違いにより、落札価格がどのように変化するについて結果をまとめた。
  キーワード オークション、エージェント、遺伝的プログラミング
     
企業間電子商取引の進展段階と連係タイプによる
 導入効果のモデル分析
高木 昇
  あらまし 本報告では、オープンネットワークによる企業間電子商取引の実施に関する現状と課題について、特に、連係タイプよる導入効果をモデル分析により明らかにしていく。具体的には待ち行列モデルによる解析手法を用いて、導入の効果分析を行う。この場合モデル化にあたって注目する点として、電子データ交換、バックヤード処理、および関連する中小企業、eMPを考慮する。待ち行列モデルを利用する場合には、通常は重視されている処理時間に注目するのではなく、設備の利用率や処理の複雑性などに注目する評価を行う。シミュレーションにおいては、代表的な業種ごとに典型的な業務フローのパターンを仮定し、電子商取引の導入効果の分析を行い。今後の拡大が期待できる業種、当面は大きな導入効果が期待できない業種が見出せることを示す。
  キーワード EDI、企業間電子商取引、待ち行列ネットワーク、発注プロセス数の待ち時間
     
マーケティング情報処理における
  Kernel-based 手法とGP手法
時永祥三
  あらまし インターネット・マーケティングにおいては、極めて多量の顧客や商品に関する情報を処理する必要がある。いわゆる、データマイニングの応用である。本報告では、特に判別分析とこれに関する新しい手法を紹介する。マーケティングにおいては、顧客や商品をグループ化することにより、とるべき方策が決まることが多い。顧客情報を入力として、顧客がどのようなクラスに属するかを推定する判別問題に対して、Kernel-based非線形写像を用いた方法を述べる。また、顧客のクラスを取り出したときに、そのクラスの特徴は何かを求める問題に遺伝的手法(Genetic Programming)を応用する。
  キーワード Kernel-based手法、判別分析、遺伝的プログラミング、クラスの特徴抽出