ハイブリッド・アプローチによる最適化−数理計画モデルを
  ベースとしたフレキシブルショップ・スケジューリングを 例として−
玉置 久、榊原一紀
  あらまし 線形計画や整数計画の分野において、最先端のアルゴリズムを実装した数理計画パッケージの性能は、ここ数年飛躍的に向上している。とは言え、現実規模の問題にそのまま最適化アルゴリズムあるいは数理計画パッケージを適用して解を求めるには、まだまだ限界のあることも事実である。このような状況において、ヒューリスティクスと数理計画法をハイブリッドする形での解法構成が効果的であると考えられる。本稿では、問題の分散構造とハイブリッド解法の形態を概観するとともに、フレキシブルショップ・スケジューリング問題を例として取り上げ、混合整数計画モデルに基づくハイブリッド解法の一例を紹介する。
  キーワード 最適化、スケジューリング、数理計画モデル、分散構造、ハイブリッド解法、メタヒューリスティクス
     
鉄鋼物流における最適化およびシミュレーション技術の活用 木村亮介
  あらまし 鉄鋼の物流技術は、重量物・溶融物の搬送、設備の連続化や自動化において独自の進歩をしてきたが、近年では、計算機能力の飛躍的向上にともない、物流計画の多目的最適化や離散事象シミュレーションの適用等、システム面において幅広く応用開発が行われている。計画問題では、配車・配船計画、倉庫運用の個別計画から物の流れにそってSCMシステムを適用する一貫計画があり、また、物流シミュレーションでは、移動機等のプロセス個別の能力検証から工場内通過工程や構外物流網のネットワークの能力検証や最適化が行われている。本稿では、これらのシステム技術の概要を述べる。
  キーワード 鉄鋼、物流計画、一貫計画、最適化、物流網、物流シミュレーション
     
製鉄所における入出荷計画問題と最適化技術 岩谷敏治
  あらまし 本稿では、まず、日本の一貫型製鉄所における物流問題の規模とそのコスト削減の重要性を示す。つぎに、製鉄所の原料入荷業務と製品出荷業務に共通する計画問題である、船舶へのバース(桟橋)割当問題への最適化システム開発例を示す。いずれの問題に対しても、探索的な最適化技術を利用して解を求めているが、用いた最適化手法や高速化のための工夫の違い、そして求解可能な問題規模の違いを示す。最後に、本開発例や過去の製鉄所における物流計画問題のシステム化例、さらには情報化技術の発展を考慮しながら、今後の鉄鋼業、および製造業の計画問題における最適化技術に対するニーズを議論する。
  キーワード 鉄鋼業、物流、最適化
     
製鉄所におけるSCMの取組み例
後川隆文
  あらまし 八幡製鐵所と自動車会社間における鋼材の納入指示から納品に至る業務にSCM(サプライチェーンマネジメント)を適用した業務システムを導入した。その適用に当たって、@サプライヤーとユーザー双方の業務実態を調査し、A従来業務が抱える問題点や課題を抽出し、双方の業務効率化(デメリット排除)を達成出来る新業務モデルを考案し、B最適化技法やシミュレーション予測などを適用すると共に、CIT活用による情報連携を強化し相互メリットを享受出来る仕組みを実現した。この業務システム導入のいきさつおよび取組み事例などについて紹介する。
  キーワード SCM、最適化、リードタイム、在庫
     
鉄鋼業におけるSCM 谷ア隆士
  あらまし SCMは、サプライチェーン上の、素材供給元、製造メーカー、製品供給先を対象に生産進捗情報・在庫情報等を共有することで、ビジネス・プロセスを効率化する手法であり、近年、精力的に取り組まれている。鉄鋼業では、主として顧客とのSCMの取り組みがなされており、実効をあげている。本稿では、鉄鋼業でのSCMの課題と対応策について、取り組み事例を用いて紹介する。
  キーワード 鉄鋼、SCM、IT技術、最適化