W杯地域出場枠の競争的配分

中村義人、田村 亮、関谷和之
  あらまし W杯の地域ブロックの割当出場枠を各国代表チームの強さのランキングに基づき、ランキングへの整合性と競争的(民主的)配分との観点から議論する。各国代表チームのランキングはFIFA公表のランキングを用いるとともに、独自に集計したデータからBradley-Terry modelに基づき最尤法と最小χ二乗法で導出したランキングを用いる。第18回W杯後、オーストラリアがアジア地域に加入することが決定している。オーストラリアのアジア加入で生じる地域ブロック再編にともなう出場枠に関して述べる。
  キーワード ワールドカップ、Bradley-Terry model、最尤法、最小χ二乗法、資源配分、FIFAランキング
     
サッカーのペナルティキックの最適戦略 太田雄大、鈴木敦夫
  あらまし サッカーのペナルティキック(PK)の最適戦略をゲーム理論の基礎的な手法を用いて求める。キッカーとゴールキーパーの利得行列をPKが成功する確率として、混合戦略とゲームの値を線形計画法を用いて計算する。利得行列の計算には、Jリーグ、日本代表の試合中のPKのデータと、ワールドカップなどの試合でのPK戦のデータを用いた。混合戦略は、キッカーは、試合中のPKでは、ゴールの右下方、左下方(キッカーが右利きの場合)、PK戦では、それに加えて、ゴール中央を加えたコースをある確率で狙うこととなった。
  キーワード ペナルティキック、ゲーム理論、混合戦略
     
マルコフモデルを用いたフットサルの試合分析 小池光太郎、田口 東
  あらまし 本研究ではフットサルのモデルを作成し、それを用いて試合の分析を行う。まず、実際のフットサルの試合をビデオカメラで撮影して、データを作成する。そして、フットサルマルコフモデルを作成するために、状態空間を定義して、データから状態間の推移数を集計し、集計結果から推移確率行列を決定する。次に、フットサルマルコフモデルを用いて試合のシミュレーションを行い、実際の試合と比較して、試合を再現できていることを検証する。検証後、シミュレーションから試合の特徴を定量的に分析し、勝敗の分かれ目となる要因を考察する。そして、その要因が試合に与える影響を定量的に調べる。
  キーワード マルコフ過程、平均パス回数、得点確率
     
ハンドボールへのマルコフモデルの適用
上田 徹、佐藤 啓、廣津信義
  あらまし 本稿では、ハンドボールのゲームにマルコフモデルを適用した試みについて述べる。モデル化あたっては、主なプレーを状態として定義し、日本ハンドボールリーグなどの実データにもとづいて、期待得点や期待得点差などを計算した。モデルの簡易化・詳細化や、弾性値を用いたプレーの得点への影響の評価なども試みた。
  キーワード スポーツ、ハンドボール、マルコフ連鎖、マルコフモデル
     
ランチェスターモデルによる棒倒し競技の研究 小宮 享、牧 正人
  あらまし 運動会などでおなじみの棒倒しの試合では、対戦前にどちらのチームとも、まず全競技者を攻撃・防御担当に配分し、次に各担当ごとに作戦計画を立てると思う。例えば攻撃・防御とも、より細分して綿密な役割分担を決定したり、タイミングや攻撃方向を設定したりするかもしれません。本稿では、このような作戦が練られ統制のとれた棒倒しの対戦での双方のチームの消耗の様子をランチェスターモデルにより記述することを試みた。次に設定した棒倒しモデルにおいて、予め決められた試合時間をいくつかの時間帯に分け、各時間帯での最適な攻撃要員の配分や心理状況により攻撃配分が変化する様子を観察した。
  キーワード ランチェスターモデル、連立微分方程式、差分方程式
     
AHPを用いた柔道選手の強さの推定 木下栄蔵
  あらまし 本稿では、2004年アテネオリンピックの柔道女子選手の強さの推定にAHPを適用した事例を紹介する。また、実際のスポーツの結果推定や分析にもAHPが有効な手法であることを示す。
  キーワード AHP、スポーツ分析、柔道