最適化問題に対する並列計算技術の適用 藤澤克樹
  あらまし 数年前からクラスタやグリッドなどの並列計算技術が広く普及し、多くの分野に適用されて成功を収めている。最近ではマルチコアを搭載したプロセッサの登場によって、さらに簡単、安価に並列計算の適用が行えるようになった。本稿では最適化問題をめぐる並列計算技術の現状に触れた後、最適化問題として半正定値計画問題を取り上げ、並列計算の適用に関する実験結果と考察等を報告する。
  キーワード 最適化問題、半正定値計画問題、クラスタ計算、マルチコアプロセッサ
     
混合整数計画ソルバーの並列化 品野勇治、藤江哲也
  あらまし 混合整数計画(Mix Integer Programming: MIP)ソルバーCPLEXを並列化するParaLEX(Parallel Extension for CPLEX Mixed Integer Optimizer)を紹介する。まず、MIPソルバーについて概観し、MIPソルバーに「おける並列処理の役割を示す。その後、ParaLEXの設計目標、動作概要を紹介する。数値実験結果として、代表的なベンチマーク問題集MIPLIB 2003の中でも、最も困難な問題例を解いた結果について紹介する。
  キーワード 整数計画法、混合整数計画ソルバー、CPLEX、並列処理
     
グリッドコンピューティングを用いた
 分枝限定法による最適化問題計算
合田憲人
  あらまし グリッドコンピューティングは、ネットワーク上の計算機やストレージを用いて高性能計算を実現するための基盤技術である。本稿では、グリッドコンピューティング技術を簡単に紹介しながら、グリッドコンピューティングの最適化問題計算への応用事例として、分枝限定法による最適化問題計算をグリッド上で実現した例を紹介する。
  キーワード グリッドコンピューティング、分枝限定法、最適化問題
     
メインストリームを目指すHPC
廣安知之
  あらまし ハードウェアのコモディティ化と汎用的なソフトウェアが利用されることにより、HPCの利用が、一般のユーザーにまで拡がることが期待されている。本稿では、ハードウェア、ソフトウェアの両面で、HPCを行うスーパーコンピュータもしくはPCクラスタがメインストリームで利用されるに際してどのような課題が存在するかについて解説する。
  キーワード HPC、クラスタ、コモディティ、オープンソース、Windows
     
ハイエンド計算技術の社会シミュレーションへの応用 鈴木正昭、Serban Georgescu、
奥田洋司
  あらまし 10ペタフロップス級「次世代スーパーコンピュータ」の設計・開発がスタートし、広範な学術研究および産業分野において計算科学技術の重要性がますます高まっている。その一方で、高性能計算機を有効に利用するためには特有の技術を要し、アプリケーション開発者の負担となっている。本稿では、高性能・高品質な並列アプリケーションの開発基盤としてのミドルウェアという考えを中心に、社会シミュレーションにおけるハイエンド計算技術の応用について述べたい。
  キーワード 大規模並列計算、ミドルウェア、マルチエージェントシミュレーション、イノベーション普及、メタヒューリスティクス
     
17パンケーキグラフの直径計算 品野勇治、金子敬一
  あらまし すべての大きさの異なる17枚のパンケーキに対する整列問題を解くことは、17パンケーキグラフの直径を求めることと同値である。17パンケーキグラフは、次数16の対称グラフである。しかしながら、頂点数が300兆を超えるため、頂点数や辺数に依存する単純なアルゴリズムによって直径を求めようとしても、計算時間と記憶容量の制限により、現実的にはまったく歯が立たない。ここでは、アルゴリズムの改良とともに、100台以上のPCとCondor-MWを用いた並列計算によって17パンケーキグラフの直径計算に挑んだ様子を紹介する。その結果については、本文を参照されたい。
  キーワード パンケーキ整列問題、Condor-MW、前方反転