ORを用いた実務を体験して得た気づき 茂木美恵子
  あらまし 本稿では、ORを大学で学び、そしてORを実務としてコンサルティングに活用してきた経験から見えてきた課題、それを解決すべく取り組んだ研究について紹介する。専門性の高さゆえ現場から敬遠されがちなOR技術をいかにわかりやすく顧客に向けて表現するかということを課題に挙げ、それに対して取り組んだ数理計画法を可視的に表現するビジュアルモデリング手法について述べる。この研究の目的は、ORや最適化の専門家でない人たちに数理計画法を意識することなく簡単に利用してもらうことである。
  キーワード 数理計画法、最適化、モデリング、可視化
     
道具箱としてのOR 野末尚次
  あらまし 職業としてORを実践するためには、特定の理論の研究ではなく、実際の問題に理論を適用して、モデル化するプロセスの達人が求められます。対象とする問題によって、使用するモデルも多様となりますから、OR理論を道具箱として準備する必要があります。また実際の応用段階では、開発された技術の経験が蓄積されて、さらに有効な成果を生む場合もあります。このような視点から、筆者のORの実践を例に述べます。
  キーワード ORの実践、ORの応用、システム開発
     
来た道・OR・最適化・モデル・数学・仕事・虹の彼方 池ノ上 晋
  あらまし 顧客がいることが前提の作業に取り組んでいると、考え続けている理想としてのあるべき姿などということはまるで虹のようなものである。でもやはり、綺麗な色や形があったほうが何かと都合がよく、また、その仕事の中での過程を楽しむことが出来る。“OR”という茫洋としている範疇の中からそんな素敵なものの一部でも見つけ出すことが出来れば幸いである。職業としてはコンサルタントと称している。現実の仕事での思考のプロセスに沿いながら体感しつつある“OR”の意味や存在意義を考えてみる。
  キーワード 生産計画、最適化、線形計画法、整数計画法、モデリング
     
ORをめぐる冒険(?)
山下 浩
  あらまし ORに関連したアルゴリズム開発、パッケージ開発、コンサルティングなどを中心に数理科学に関わる仕事をしたい若者・学生のための極めて個人的な体験談。
  キーワード 数理科学、数理計画、コンサルティング
     
最適化職歴(オプティマイズド・キャリア) 伊倉義郎
  あらまし 職業を選択する際の考え方を、自らの経験や最適ポートフォリオ選択理論を通して解説する。特に、OR関係の職業についた場合に起こりうることや、それぞれの時点における職歴選択の可能性や分析方法についても解説する。さらに職業としてのORコンサルティングの今後の可能性についても探る。
  キーワード ポートフォリオ理論、リスク、リワード、デシジョン・ツリー、コンサルティング、最適化
     
東京ガスにおけるORチームの変遷 山上 伸、樫尾 博
北澤恵理子、高橋一喜
  あらまし 東京ガスのORチームは、社運を賭けて取り組んだ三大プロジェクトの遂行のために1971年に設立された。設立当初は華々しい成果を上げたものの、次第に課題が小粒になり、計算屋と化していった。梃入れにと1991年には研究部門へ移り、長期的な視点での研究に力を入れた。研究所での5年間の充電期間を経た後、企画部門に異動し、現在は経営に直結する課題の解決に携っている。一方、2000年代に入ってから、ORを実践する組織が新たに二つできた。営業や製造供給の現場からのORニーズに応えるチームと、市場リスクを管理するチームである。三つのORチームはそれぞれに活躍している。
  キーワード 東京ガス、ORの実践、企業戦略