位相型確率分布の標準化とパラメータ推定の実際 岡村寛之、土肥 正
  あらまし 位相型分布はあらゆる確率分布を任意の精度で近似できるだけでなく、解析的な取り扱いが可能であるため、信頼性理論や待ち行列理論などの確率モデルの分野において頻繁に用いられている。反面、位相型分布は多くのパラメータを含む確率分布であるので、冗長なパラメータを排除するための標準化と統計的パラメータ推定手続きは応用上極めて重要な問題となる。本稿では、位相型分布の標準形と位相型分布のパラメータ推定としてEM(Expectation-Maximization)アルゴリズムを紹介する。
  キーワード 位相型分布、標準形、最尤法、EMアルゴリズム
     
信頼性理論の研究におけるベイズ的方法と頻度論的方法の影響 Stefanka Chukova、早川 有
  あらまし 本稿では、統計的推測におけるベイズ的方法と頻度論的方法について比較する。両方法の背景となる根本的原理の相違についてまとめ、それがどのように点推定、区間推定、仮説検定に反映されているかについて述べる。信頼性の観点から、両方法の差異がもたらす統計的推測の結果に焦点をあてる。最後に、ベイズ的アプローチと頻度論的アプローチの相違点をどう克服するかについての可能性についてコメントをする。
  キーワード 信頼性、ベイズ的方法、頻度論的方法
     
Consecutive-k システムとその周辺 秋葉知昭、山本久志
  あらまし Consecutive-k-out-of-n:Fシステムは、システムの中で故障した部分が集中した場合にシステム故障が生起するような場合を表現する際に有用なシステムである。このシステムについて1980年代初頭より多くの関連研究がなされており、様々な拡張システムが提案され、また評価方法の提案がなされている。本論文では、consecutive-k-out-of-n:Fシステムを拡張したシステムとして、多次元のシステムに拡張した場合の信頼度算出方法と多状態のシステムに拡張した場合の状態確率分布の算出方法に注目して調査し、概要をまとめる。
  キーワード 信頼性、Consecutive-k-out-of-n:Fシステム、多次元システム、多状態システム
     
コンピュータウィルスの生態学
豊泉 洋
  あらまし コンピュータウィルスのモデリング手法に対する解説と評価を行なう。疫学的モデルから、Lotka-Volterra方程式、出生死滅課程、確率微分方程式、さらには、スケールフリーネットワーク上でのpercolationモデルなどの最新の確率的モデリング手法を、実際のコンピュータウィルスを紹介しながら解説し、コンピュータウィルスの数理的な生態モデルがネットワークセキュリティ上、重要であることを示す。
  キーワード コンピュータウィルス、情報セキュリティ、微分方程式、スケールフリーネットワーク
     
安全・安心のための半導体設計・テスト技術 福本 聡、新井雅之、岩崎一彦
  あらまし 半導体技術は、安全・安心な情報ネットワーク社会を実現するための基幹要素の役割を担っている。本稿では、現在の半導体の信頼性を保証している設計・テスト技術について概説し、さらに、今後の信頼性低下要因のひとつであるソフトエラーとその対策、半導体によるセキュアコンピューティングへのアプローチについて紹介する。
  キーワード 設計検証技術、半導体テスト、ソフトエラー、セキュアプロセッサ