複数ベンダー・サービスのための
  パートナー交渉における意思決定支援
M. E. Helandar, Hua Ni, P. M. Thompson, L. K. Viera
  あらまし 専門サービスを提供するパートナー企業との契約交渉では、情報の非対称性が微妙に対立する目的と相絡まっており、公的または民間セクターにおける応用オペレーションズ・リサーチの他の分野ではあまり見られない状況が生じる。このことがモデリングおよびビジネスの観点から見て極めて興味深い決定問題を生み出す。この問題の有効な解決方針としては、最適化に基づく方法論や、潜在的なパートナー企業間において有益な情報を効果的に伝達する手段が含まれる。本モデルの利用により、大手のコンサルティング組織において大幅なコスト削減およびチーム構成の改善を実現した。
  キーワード 交渉、経済学、経営、収益管理、人員配分、線形計画、混合整数計画、コスト最適化、専門サービス、複数ベンダー・プロジェクト、プライシング
     
3次レベルITサポートのためのシフトスケジューリング
  :課題、モデル、ケーススタディ
S. Wasserkrug, S. Taub, S. Zeltyn, D. Gilat,
V. Lipets, Z. Feldman, A. Mandelbaum
  あらまし 企業のITサポートをアウトソースする際には、通常レベルのITサポートと同時に特別なスキルと知識を必要とする、一般に3次レベルといわれるサポートの提供が求められる。コールセンターを始め各種のサポート分野においては、サービス要求及び対応スタッフのシフトスケジューリングに関する多数の研究成果が既に存在するが、3次レベルサポートに関しては、余りない。さらに他のサービスレベルと3次レベルサービスでは、サービス要求が到着するパターン、個々のサービス提供に必要な時間分布等がかなり異なる。この結果、3次レベルのサービスに対するスケジューリングとして現在行われているのは、現場での大雑把な判断に基づくやり方である。アウトソーシングビジネスの拡大に伴い、このレベルでのサポート業務においても実際のサポート需要に対応するシフトスケジューリングの理論及び実践が是非必要になっていると考え、予測から始まりスケジューリングまでを扱うメソドロジーを考えた。具体例を使ってその説明をすると同時に、このメソドロジーを使えばどの位マンパワーを節約し得たかも示す。
  キーワード 予測、要員配置、要員管理、シフトスケジューリング、3次レベルITサポート、最適化
     
アクセス管理のための承認者選択最適化 W. C. Dietrich, Jr., J. P. Fasano, J. Lee
  あらまし IBM社内の動的環境においてアクセス要求に承認者をマッチングする問題について述べる。この問題を重み最小の集合被覆問題ととらえ、実時間環境のもとで効率的にインスタンスを解くための整数計画による手法を開発する。筆者らの解法は、COIN-ORの最先端の最適化ツールを用いており、IBM社において成功裏に展開されている。
  キーワード 集合被覆、整数計画
     
IBM SmartSCOR:プロセス中心の
  サプライチェーン変革の実現
J. Dong, C. Ren, H. Ding, W. Wang
  あらまし サプライチェーン変革は、コストを削減しながらサプライチェーン運用の性能を最大限に引き出すように企業を支援する新興のサービス領域である。エンドツーエンドのサプライチェーン変革には、戦略戦術レベル、業務計画レベルから実行レベル、実装レベルまでの改善が含まれる。ビジネスプロセスは、サプライチェーン全体の変革ライフサイクルの各フェーズを繋ぐ基盤である。本稿は、SmartSCORと名付けられたIBM中国研究所の取組みを紹介する。SmartSCORは、産業横断型のプロセス標準であるサプライチェーン運用参照(SCOR)モデルと、様々なシミュレーションと最適化手法に基づくビジネスプロセス中心のサプライチェーン変革のための包括的な枠組みおよび手段を提供する。IBM SmartSCOR の主な機能は、ビジネスプロセスのモデリング、ビジネスプロセスの診断、戦略戦術の意思決定などを含んでいる。IBM SmartSCORはIBMのサプライチェーン部門を含むいくつかのサプライチェーン変革プロジェクトに適用され成功を収めている。
  キーワード サプライチェーン変革、サプライチェーン運用参照(SCOR)モデル、ビジネスプロセス、シミュレーション
     
COIN-OR:ORにおけるオープンソースの事例 Robin Lougee-Heimer
  あらまし ソフトウェアはORにとって根底をなすものである。計算の面でのORのソフトウェアへの依存状態は、この分野において、どのようにソフトウェアを開発、管理、配布するかが重要であるということを示している。本稿では、ORにおけるオープン・ソフトウェアの開発、管理、配布に関する議論についてまとめる。2000年に開始したORコミュニティのための「オープンソース」・ソフトウェアを促進するための先進的な活動であるCOIN-OR(the Computational INfrastructure for Operations Research)について紹介する。現在、COIN-ORは、教育目的の非営利団体によって管理され、INFORMSが世話人を受け持っている。COIN-ORのウェブサイト(http://www.coin-or.org/)では、オープン・ソフトウェアと標準とデータの共同開発と配布の基盤が整備されており、研究、教育、応用のための20以上のオープンソース・プロジェクトに関する本拠地となっている。
  キーワード COIN-OR、オープンソース