第91回 研究会

  • 日時:2021年 2月 1日(月)13:30 -- 16:45
  • 会場:Zoom によるオンライン開催
  • 講演1(13:30 -- 15:00)
    • 講演者 :山田 恵里 氏(名古屋市立大学)
    • 講演題目:The structure and innovation of the auto-parts industry: Evidence from Japan
    • 講演概要:近年,既存の地域資源を活用した内発的な発展を促すことを目的に,産業クラスターの形成や支援・活性化が主要な地域関連政策となりつつある。有効な産業クラスター政策を立案するに当たり重要な観点は,単に企業や産業の集 積立地を目指すことではなく,地域に特有な知識基盤を理解した上で,どのようなメカニズムの下で集積から得られる利益を実現するかを考慮することである。そこで本研究は,日本の基幹産業であり集積傾向がある自動車産業を対象とし,自動車部品サプライヤが有する知識・技術の特性を定量的に把握した上で,サプ ライヤの知識特性とイノベーションとの関連を実証分析した。 第一に,サプライヤが生産する部品構成の情報を基に,サプライヤが有する潜在的な知識と,部品に体化された知識のそれぞれの洗練性を,ネットワーク分析の手法を応用した複雑性指標により計測した。分析結果より,サプライヤの能力や部品の洗練性は多様であり,また洗練性の大きいサプライヤや部品はごく一部に限られることが判明した。 第二に,“Product space”の分析手法(Hidalgo et al. 2007, Science)を応用 し,生産活動に要する知識・技術を,それらが体化された製品の種類によって捉えたうえで,地域の知識基盤の構造を,製品間の類似性ネットワークからなる製 品(≒知識)空間を構築することにより分析した。そこでは,任意の2製品につい て,同一のサプライヤにより生産されている部品間には,共通の知識基盤が背後に存在するとし,点(ノード)である部品は,部品間の線(リンク)で結ばれた ネットワークとして描くことができる。自動車部品ネットワークから,新しく市場へ現れる洗練性の大きい部品は,製品空間の中心やハブに位置する知識集約的な既存製品の技術と関連して創出されていることが判明した。これらの分析結果は,自動車部品産業におけるイノベーションは,過去に蓄積された多様な知識・ 技術のもとに,それらが融合して経路依存的に創発していることを示唆するものである。
  • 講演2(15:15 -- 16:45)
    • 講演者 :呉 偉 氏(静岡大学)
    • 講演題目:処理時間の不確かさを考慮する単一機械バッチスケジューリング
    • 講演概要:生産活動の効率を図るためには,生産計画の立案が特に重要である. まとめ生産や,まとめ輸送などを含む生産計画を立てる際に, バッチ処理(数個のジョブをまとめて処理する)を考慮する必要がある. 本発表では,バッチ処理を有する単一機械スケジューリング問題を対象とし, 不良品の発生や作業員の欠員などによる処理時間が不確実であるときの 不確実集合の定義,評価基準,計算複雑性,及び解法を紹介する.