オペレーションズ・リサーチ(OR)の方法論に対する探求は,研究活動を国際的に展開することで一層の発展が期待できます.その上で国際的な研究ネットワークに入り込んでいくことが必要になりますが,そのためには少なくとも1ヶ月以上といった一定期間海外の研究拠点に滞在し,海外の研究者と直接的に知り合い共同研究に繋げるなど,継続的に交流するきっかけを持つことが重要です.また,とりわけ日本国内で博士号を取得した後数年間は,自らのテーマを確立していく上で難しい期間となる傾向があり,視野を広げる上でも国際的な舞台に出て共同研究者を見つけることは有効な手段となりえます.
そのような状況を念頭におき,本事業は,これまで海外のOR研究機関に滞在した経験のないORの研究者に対し,海外での共同研究拠点を築き国際的な研究者ネットワークに入り込んでいくための支援を行うことを目的とします.
本事業がこれまでの支援事業と異なるのは,国際会議などで単発の研究発表などを行うための資金援助ではなく,有望な研究者が1ヶ月程度以上,ORあるいはそれに関連する海外の研究拠点に滞在し,国際的な人的ネットワーク構築する活動を支援する点にあります.
このような人的なネットワークは,助成対象者個人にとって資するばかりでなく,長期的には学会全体の国際的交流の幅の拡大に資するものと期待しています.また有望な人材を選抜し海外に送り出すことは,日本のORの存在感を高めることにも繋がると期待しています. |